今では情報配信の頻度と速度、範囲が広がっているので地方がフォーカスされることも多くなりましたが、東京湾は日本シーバスを代表とする中心的ポイントと言えるでしょう。

今日のようにシーバスのルアーフィッシングが確立されるまで試行錯誤が繰り返されたはずです。

そんな東京湾において潮の満ち引きで出現するシーバスのポイントが干潟です。

その干潟へ足を踏み入れると先人達の踏み跡を辿るような聖地巡礼を彷彿させます。

自分的に身の引き締まる思いがあります。

僕らは今、「過去の未来」に生きている。

この釣りを見つけ、築き上げてきた人達に敬意を表します。



普段、僕が釣りをしている淡水域でのシーバス釣りは、シーバス釣りであってシーバス釣りではない。と感じています。

何故なら月の引力は淡水域でも影響しますが、海のそれとは少し違っています。

この潮の満ち引きによって魚の付き場を探す釣りが「The Seabass Fishing」と僕は思っています。



さて、そんな干潟へ釣りに行ってきました。(2017年12月の話)

ボチボチとシーズン終了の声が増え始めるころ、釣り人が減って自由に動き回れるはずと自分的聖地に足を踏み入れました。

何時もは澪筋を挟んで反対側へエントリーしており、こちら側は初めてなので車に積んできた折りたたみ自転車で動ける範囲を散策しました。

地形的に目星を付けていたポイントは上げ潮の潮目がハッキリと出ています。

下げ潮の時間帯を釣りする予定なので入ってきた潮が何処から抜けていくのか?

問題なのは細かな地形が分からないこと。

どの潮位でどこまで進めるのか?

本来であれば初めての場所は、干潮時に歩き回って地形の高低差を確認しておくべきです。

今回は全てが手探りなので安全第一で進むしかありません。

近年、釣り場で起きる事故についての記事等を見かけることがあります。

もちろん干潟でも釣り人の事故が起きてしまいます。

昔から繰り返されていることだろうけれども、時代が時代なので寛容には済まされません。

事故が起きてしまった時には、多くの人の労力が使われるので単純に「自己責任」では片づけられないのでしょう。

釣りとジャンルは違えど、立ち入り禁止の雪山でバックカントリースキー中に遭難してしまったケースで救助を要請した場合には救助費用を請求されるとニュースで報道されていました。(全ての雪山が同じではありません)

費用請求に関しては妥当な対応だと思います。

ましてや世知辛い話、救助に向かって失敗した場合には、要救助者側から損害賠償を請求されることもあるわけですからね。

そんな時代になってしまったのだから「自己責任」とは非常に難しい解釈であることが分かります。

釣り人は遺言を残しておくべきでしょうか?

「救助に要した費用は全額支払いします。」「私に起きた事由に対して、管轄や関係各位の責任は一切ありません」とか。

楽しいと危険は表裏一体でもありますから、それぐらいの心積もりで遊ぶべきなのでしょう。



話を戻します。

辺りが暗くなったのでポイントへエントリーしましたが、まだまだ潮位が高いようでウェーディングは出来そうもありません。

仕方がないのでウェーディングできる潮位になるまでは、護岸されている岸から釣りをします。

20171204-1

下げ方向へ強めの風が吹いていて潮目が出ていたので、潮目が岸際に寄っている場所でルアーを投げ、風と潮の流れに任せているとセイゴサイズが釣れました。

このサイズをポツリポツリと拾っていくような展開なのでしょうか。

20171204-2

岸際の流れが少し沖側の流れと合わさるところでもシーバスが釣れました。

大きい個体は抜けてしまった?

上げが良いとは聞いていましたが、上げまで釣りするつもりはありません…。



そろそろウェーディングできそうな潮位まで下がったので少しずつ澪筋へ向かって進んでみます。

起伏は少ないですが、腹上まで入っても澪筋までは辿り着きません。

さらには所々にアサリを掘った跡なのか、ズボリと深くなる場所が多数あります。

沈を避けるべく右往左往していると後攻者が別ルートで前に出て行きました。

あのルートで行けるのか?と、近づいてみるも通れる気配はありません。

ドライスーツorかなりの足長おじさんなのでしょう。

結局、潮位が下がるまで澪筋には辿り着けませんでした。

潮位が下がってから行ってみたところで澪筋を走る流れは弱く、それほどの良さを感じられずに釣りを終えることにしました。

20171204-3

上げまで残っていれば群れが変わってサイズの良いシーバスが釣れるかもしれませんでしたが、上げが良いって知ってしまった分、自分なりの何か、違うパターンを試してみたかったのです。

少しずつ下げも上げも経験しつつ、何かを掴みたいですね。


タックルデータ
ロッド:スタッカート89MLSS-HX
リール:エクスセンスCI4+4000S
ライン:G-soul X8 UPGRADE150m 1.0号
ルアー:komomoSF-110スーサン